前回まで、いじめられた経緯と、原因、私の過ごし方を書いてきました。今回は、解決に向けて一気に話が進んでいきます。
親・先生(大人)の協力なくして、クラス中を巻き込んだ子供のいじめは収まらないと実感しました。


いじめが数か月が続いたある日の出来事
ずっと一人が当たり前になると、落ち込みはするけれどそれなりの対処が無意識にできるようになります。
休み時間はトイレに行ったり、本を読んでみたり(私はこれはしませんでしたが)、学校見学と称して校内を歩き回ったり、クラス中でやるドッヂボールにしれっと入ってみたり。
普段から大人しくて優しい子や、あまり集団いじめとは関係のない男の子と、少しだけ挨拶程度の会話をしたりもしました。
何となく、つらいけど休まずにこの中で生きる術を見つけていた矢先のこと。
家に帰ると、お母さんが玄関まで走ってきて、いきなり私を抱きしめてきたんです。
今思い出しても、この記憶が一番ギュッてなります・・・
抱きしめながら母が私に言ってきました。
りみちゃん・・いじわるされてるの?ごめんね。気が付かなくて。つらかったね。
私は、その時初めて母の前で泣きました。泣きじゃくりました。
息が出来ないほど泣いて泣いて。呼吸困難寸前になるほど泣きました。
堰を切ったように・・・感情があふれ出しました。
今から行くよ、学校。すぐにいくよ!
そう言って、ランドセルだけ玄関に置きそのままお母さんと一緒に学校に向かいました。
その間、母がずっと私の手をぎゅっと握り、時々肩で私を抱きしめながら「大丈夫よ、大丈夫」と言い続けていました。
担任の先生と話をする
そのまま、学校に着くと担任の先生を呼び出します。何事かと、先生の表情が険しくなったのを覚えています。
いつも緊張して入って行った4年C組の教室が、別の場所のようにシンとしていて・・・変な気分。
だけど、何故か安堵している自分がいました。
もう、隠さなくていいんだ・・・
そう思っていた気がします。
そもそも母が私のいじめを知った経緯
母の友達経由(ママ友という関係ですね)です。
クラスの中には、りみちゃんのこと無視したくないのに、遊びたいのに、A子が怖くて近づけなかった子がいたんです。多分、ほとんどの生徒はそうだったと思います。好んでいじめようと思う子はそうそういないはず。
その子が、私が可哀そうと思ったのか、そういう環境が苦しく思ったのか、黙っていられなくなり母親に話したそうです。
「知ってる?りみちゃん学校でいじめられているらしいけど・・」とそのお母さんが話したことで、母の知るところとなったのです。
青天の霹靂。
いつもニコニコしていたわが子。毎日いつも通り学校に通っていたわが子が
実は学校でいじめられていたなんて、想像もしていなかったはず。
私がひた隠しにしていたから・・・。
自分のわが子に置き換えて考えたら、胸が苦しくなります。
先生の対応
すぐに、先生はいじめられている経緯と、内容を細かく私に聞いてきました。感情があふれて泣き出してしまう時もありましたが、思い出せる全てのことを伝えました。
先生は自分のクラスでこんなことが起きている事を全く気が付かなかったことを、母に謝っていたと同時に、勇気を持ってきてくれたことを感謝していました。
私にも。
「りみも、よく話してくれたね」と。
普段、ものすごく口も悪く、怖い先生だけど、自分にも厳しく、面白くて生徒思いだった先生です。
先生は「すぐに対処します」と言って
母は「よろしくお願いします」と頭を下げました。
教室を出るときには、清々しい気分で心の底がフワッと軽くなっていくようでした。
これで大丈夫。そう思えた瞬間です。
翌日の学校で
クラス全員に話をする
いつものように、学校での一日が過ぎようとした帰りの会の時間。先生が「今日は特別に話がある」と言い出しました。
ざわついていたクラスが静かになった時、
「今、りみがこのクラスから嫌がらせを受けていることを知っているか?知っているよな」と静かに話し始めました。
私は「来た!!」と、ドキッと心臓の高鳴りを感じました。
先生は、窓際に寄せた教卓の近くに座り、ボールペンをなぞるように触る手を見つめながら話していました。
今でも鮮明に思い出せます。
実際に私を無視していた子たちが、どういう表情をしていたかは見ていません。
先生は私の状況を軽く話たあと、
「お前らさ、くっだらねぇことはやめろよ」とクラスの生徒に向かって一蹴しました。他にも何か言っていたけど、覚えてません。
ただ、この一言を聞いた時、温かいやさしさに包まれた気がしました。少しの力も沸いてきました。
涙も出てきます。
昨日、散々泣いたので今日は泣かないと決めていたのに、涙が自然と出てきました。
先生はいじめについて、どれだけくだらなないことなのかを話をした後、
「そこの4人は残れ」と、最後に言って「帰りの会」は終わりました。
私たちグループが残って
もともとの原因である、私たち4人グループが残され、
先生の前の席に横並びに座ることになりました。
先生は、しばらく黙ったままボールペンを触っています。
4人に緊張感が走ります。それは私も同じです。
「この3人は、どういう気持ちでいるんだろう。あとで、このことを3人で話してまた私の悪口でもいうのだろうか。」
先生がまず、どうしてこうなったのか・・・ということを1人ずつ説明しなさいと。「まずは、りみから」というので、私は少し動揺した。
それでも、私はB子の悪口を聞かされたこと、仲間外れにしようという命令を断ったこと。そしたら、翌日から私が無視されたことを、正直に話しました。
私には、先生と母と自分の母親に相談してくれた友達がいる。もう味方がいるんだ!そう思っていたから話すことができたんだと思います。
次に、主犯格のA子の話。
私が好きな歌手の本を貸してくれなかったとか、そんなことだったような。本当に些細すぎた。貸してくれないと言っても、家に持ち帰るのは困る・・とかその程度だった。
あとは、なんて言ってたかな。覚えていない。
他の2人に関しては、同じことを曖昧に答えているだけだった。
何だか、勝った気がした。
3人に謝られた。
先生が謝れというから。
それ以降の学校生活については、次のブログで。
