Nobody Else(ユーミンを聴きたい)

ユーミンが描く世界は、そこに描かれる強くてかっこいい女性たちや、色彩豊かな曲の世界観がとても魅力です。自分の日常に投影してみたり、力をもらったりします。

私の主観的な解釈ではありますが、ファンではない方もユーミンの曲を聴いてみたいと思っていただくきっかけや、世界観を感じてもらえたら嬉しいです。きっとあなたの心のビタミンになっていくと信じています。

躓いたり、悩んだりしている女性たちが少しでも前向きに上機嫌に人生を楽しんでいけますように。

目次

全てがあなたに見えてしまう

Nobody Else(前半)

通り雨

全てがあなたに見えてしまう街は

どこまで続くの

バッグを抱きしめて

濡れながら走るのよ

こみ上げるような懐かしさを振り切って

(Nobody Else)あれほど愛せない

No No No No No No

長い苦しみをあなたは知らない

<引用> 「Nobody Else」曲・詩 松任谷由実 

あなたが全てだったこの恋が終わってしまったとき、周りの景色も何もかもがあなたに見えて悲しくなってしまう

忘れたいけど、忘れようとすればするほどこみ上げてしまう懐かしさと振り切ろうとする自分との葛藤があります。

Nobody Elseあなたのような人は二度と現れないと思うと、この大恋愛に未練の気持ちがこみ上げるけれど、それを打ち消すように「No No No No No No」と続き、最後に「長い苦しみをあなたは知らない」と自分を冷静にさせる一言で、この気持ちを終わらせようとする彼女の覚悟が垣間見えるようです。

Nobody Else(後半)

通り雨

黄昏誘って沈んでゆく街に

あふれる人の波

髪をふきながら

ホームで待ってるのよ

未練な私を慌ただしくつれ去って

(Nobody Else)救ってくれない

No No No No No No

激しい痛みをあなたは知らない

(Nobody Else)あれほど愛せない

No No No No No No

長い苦しみをあなたは知らない


<引用> 「Forgiveness」曲・詩 松任谷由実

「黄昏誘って沈んでゆく街」絵画のような表現に心がギュっとなります

夜の街に変わってゆく街。先ほどの雨に濡れた髪を乾かすという(自分への)言い訳のなか、駅のホームで私はあなたを待ってしまう。

そんな自分が情けなく思ったのか、みじめに思ったのか、気が付いていく。

あなたが私と同じように痛みを共有しているわけでも、救ってくれるわけでもないことを

こんな苦しい思いをしているのは、私だけだということを

もうすでに前を向き始めている彼女です。

未練を吹っ切るための言葉

この「Nobody Else」の入ったアルバム「Delight Slight Light KISS」は、恋愛ソングの王道のようなアルバムなのですが、その中でも悲しみの中に強さを見出す力強い女性が描かれた曲の1つです。

二度とできないような大恋愛が終わった時、辛くて悲しくて苦しくて、何を見ても彼を思って泣いてしまう。忘れようと努力しても忘れられないもどかしさや切なさで心が折れそうな毎日を送っているあなた。

ちょっと待って。彼はそんなあなたの姿を知らないんです。

あなたがこんなに苦しんでいる中、彼は先に前を向いて楽しく日々を送っているかもしれません。もしかすると新しい出会いに向けて、自分を磨いているかもしれません。

少なくても、今のあなたの苦しみは知らない。

単純に「そんなの悔しい」と思ったのは私だけでしょうか。あなたにもこの先の人生があります。だったら憂いているよりも自分の輝けることは何か、自分を一番に考えてあげるのがいいに決まっています。

「長い苦しみをあなたは知らない」魔法のように未練が吹っ切れる言葉だと思います。

もう、未来に向かって。




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